Scxxxers is...

散文その他。全て読み切りです。

26番目

ちょっと切ない。
この前、車乗ってて交差点の一旦停止を過ぎたところで白バイ乗ったお巡りさんと並んだ時にふと気付いた。警察官の人って腰の右側に拳銃入れてホルスター装着してるんやけど、おれ二輪免許持ってるわけじゃないしバイクに詳しいわけやないけどあれって右のハンドルがアクセルなんやんな?
と、いう事はこれがどういう事かというとやで、
走行中の銃撃を想定していないということであって、これが例えホルスター右側にあったとしてもこう銃のグリップが警官の前方向或いはお腹側またはお臍サイドに向いていたならバイクで走りながらも左手で銃を引き抜いて標的を撃ち抜くという可能性が考えられるけどやっぱり二度見三度見してみてもどう見ても銃把の先っちょはちょこんとおっさんの背中側を向いてるわけでそうなるとやっぱり右手で引き抜くのは一目瞭然。これはめっちゃ悪い銀行強盗とかが湾岸線とかを車とかで逃げててそれを白バイが追跡しながら銃を乱射してリアガラスを木端微塵にするみたいなアクションは見られへんってことやんか。勿論、こんな風景がここ日本に於いて日常で見られると思ってる程おれもイかれてるわけではない。でも、
でもやで?
ちゃうねんその拳銃の装着位置をちょっと右側から左側に移動するだけで夢が広がるやん?別段、退廃的且つ詩的な希死念慮があるわけじゃないけど、でもまあ走行中の白バイに銃撃されて死ぬなら有りやんか?白バイ二台くらいに追いかけられてちょっと伏せながら車運転したいやん。でなんか黒人のマッチョな相棒がファッキン言いながら後部座席から体出してバズーカーみたいなんで応戦しようとしたら白バイの放った一発が見事バズーカーみたいなんの銃口に入ってどっか橋んとこで車ごと爆発するとか。
そんなちょっとした想像さえも、ロマンティックさえも許されへん憂うべき日本社会。ほんまこれはちょこっと拳銃のホルスターを右側から左側にスライドしてくれるだけでなんか想像力を刺激するよねって話やから。あかんかなー。それか予算的にいけるんやったら左右の腰どっちもにも拳銃携えとくか。好きな時に好きなほう取れるねん!これやったら走行中にもすぐ抜けるし、めっちゃ怒った時は二丁拳銃で攻撃することもできる。
うわ、まじで車で走ってたら後の白バイのおっさんがハンドルから手離して両手で二丁拳銃構えてる姿想像したらやばい。ほんでターゲットおれやもんなあ…。
「え?なに、ニヤニヤしてんの?」
その声ではっと我に返った。
そやった右側にホルスター装着した白バイ警官に一旦停止無視で止められてたんやった。
めっちゃ切ない。 fin